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容易にアンケートで制作方針を決めるべきではないかも? アンケートとの向き合い方を考える

マーケティング

制作において、新要素やコンセプトをどうしようか迷うことは、誰しも経験があるのではないでしょうか。 そんなときはついアンケートに頼りたくなってしまうものですが、皆様はどのようにアンケートを使われていますでしょうか!

今回は、私の考えるアンケートとの向き合い方についてお話します。一つの考え方としてご覧頂ければと思います。同人向けに書いてはいるのですが、どちらかというと同人活動よりも、前職や大学時代の経験を元にしています。

制作方針をアンケートで決定するリスク

始めにリスクについてリストアップしてみます。

・個人でやる上では、アンケート対象(母集団)がどうしても限定されてしまう
・多くのサンプル数を得る事が難しい
・一度確定したアンケート結果を撤回する事は難しい。 撤回する場合はユーザーから大きな反感を買う恐れがある。
・アンケート結果に沿って制作した製品が失敗した場合、クリエイターはユーザーのせいにしてしまいがちである(他責思考に陥るリスク)

実はアンケートってかなり取り扱いには注意が必要なものだと感じるんですよね。一つ一つ解説していきましょう。

アンケート対象(母集団)がどうしても限定されてしまう

Ci-enや、Xにはアンケート機能がありますが、そこで実施するアンケートに回答する方は、あくまでもフォロワーさんがメインです。実際に製品を購入されるユーザー層の極々一部ではないかと思うわけです。 また、彼らは何か意図があってクリエイターをフォローしています。「不具合を伝えたいから」「応援したいから」「私の好きな要素を実装して欲しいから」「逆に嫌いだから」「競合のクリエイターだから(ユーザーがクリエイターさんの場合)」等ですね。

フォロワーさんの考えだけを反映できれば良いと考えるなら構いませんが、ユーザー全体を想定しているなら、この時点で、母集団がかなり限定されてしまう事が分かるかと思います。

多くのサンプル数を得る事が難しい

母集団が限定されてしまうと、サンプル数は少なくなることが多いです。そして、サンプル数が少ないと、誤差が大きくなり、アンケート結果の信頼性が低くなります。誤差があってもアンケート実施者が許容できる範囲内であれば良いというのが統計学的な理解ではありますが、果たして制作方針という場面で大きな誤差があっても良いものなのでしょうか。

例えば、飲み会の会場を決めるのであれば多少の誤差があっても多数決のような形になれば多くの人が納得できるかと思います。しかしながら、これが会社の経営方針決定であればどうでしょう? 出来る限り誤差は小さくしたいですよね。するとサンプル数は多くして誤差を少なくしなければなりません。ここで言う会社の経営方針は、クリエイターにおいての経営方針(つまり制作方針)とほぼ同一です。しかし個人で沢山のサンプルを得る事は中々難しいですよねぇ…。

一度確定したアンケート結果を撤回する事は難しい。 撤回する場合はユーザーから大きな反感を買う

アンケートを実施して結果が確定してしまうと、その結果に対して義務感が生まれます。本当に義務があるわけではないのですが、以下のような理由でアンケート結果に従わざる負えない状況になってしまいがちです。

アンケート実施者が結果と異なる事を行うと…
・アンケート結果が自分の理想に一致する方は「裏切られた」気持ちになる
・アンケート結果が自分の望むものじゃなかった方も「アンケートに意味があったのだろうか?」と感じる

それなら、アンケート実施時に「あくまでも参考程度です」と注意書きをすれば良いのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一度出た結果を心の底から無視するのは本当に難しいです。メンタルが煉獄さんくらいあるならオッケーです。

制作環境の中で義務感という要素が発生すると、自己決定性が低下してしまいます。以前自己決定理論というのを勉強したのですが、その中にある3要素では、まず一つ目に主体性を持って行動することが、質の良い動機づけとされていました。何事も主体性持ってやるほうが楽しいですよね(主観) 

特に個人で活動されるクリエイターのモチベーションを保つためには、極力自己決定を行う事がベストかなと思っています。

アンケート結果に沿って制作した製品が失敗した場合、クリエイターはユーザーのせいにしてしまいがちである(他責思考に陥るリスク)

これは正直根拠はありません。しかしながら、今まで活動する中で感じた事、色々なクリエイターさんを見てきた中で思う事です。

アンケート結果に沿って制作した創作物の売上が立たなかったり、ウケが良くなかったりすると、アンケート回答者のせいにしてしまいがちな傾向があるかと思います。 何故なら、そもそもの行動原理がアンケート結果にあるからです。

ただ、これは想像に難しくないと思います。例えばあなたが上司に指示された仕事を達成したが、結果が芳しくなかったとしたら、つい上司のせいにしてしまいそうですよね。こういった他責思考に陥るリスクがあるのです。人間の心理として他責思考に陥ると、自己決定性の低下に繋がり、そこから負のループが発生しやすくなってしまいます。

またそもそも、アンケート結果に従えば良い製品が出来るというわけでもないので、アンケート結果をどう利用するかは中々に難しいですね。私もまだよくわかっていません。

逆にアンケートを安全に使える場面とは?

では、ここまで読むと「じゃあ、どこでアンケートを使えばいいんだろう」と感じますよね。私は以下のような場面ではアンケートを使う事があります。

・不具合等の発生頻度の調査
・結果がどうあっても制作や販売にあまり影響を及ぼさないもの

とはいえ、まだまだどのようにアンケートを使うべきか勉強不足でわからない事も多いです。少なくともユーザーさんの不利益にならないようしっかりと考えていきたいですね。

さて、文章を書くのは苦手なので長くなってしまいましたが、今回の内容がぜひとも制作の参考になれば嬉しいです。 また、これら内容が全ての人に当てはまるわけではありませんので、そこだけご注意ください。

猫3

エロゲを作って生計を立てている人
ここではゲーム制作から、売上の納税まで色々な気づきを共有したいと思います!
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